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ヘミオラ

2017年5月2日
譜例1

現在の出版楽譜において、バッハやヘンデルなどバロック時代の曲には、上の譜例のようなシンコペーションのような形をよく見かけます。
実は、これらはシンコペーションではなく一時的に拍子が変位するヘミオラ(Hemiola)というもので、当然演奏もアクセントが移動するシンコペーションではなく、拍子感を意識した演奏になります。

自筆譜や初版出版物を見たりしたら以下のように記譜されていたことが多く、ヘミオラであることを示しています。

譜例2


上記の楽譜を演奏してみたもの。(旋律は装飾を加えています)

二拍子にもヘミオラ?

二拍子系の楽曲の途中でいきなり三拍子系の小節を挟んだりすることもあり、以下の例は3拍子系に等価の2拍子系である6拍子の小節が混じっています。

譜例3

このようなことから以下の様なウィキペディアの記載にある「三拍子の曲で二小節相当の三拍子一小節を挿入したもの」だけがヘミオラではなく、ヘミオラは単純に「一時的な拍子(分割)の変化」を指し、多彩です。

Wikipediaを過信しないように。

ヘミオラ

ヘミオラ (hemiola) とは、主にバロック音楽やクラシック(古典音楽、特にベートーヴェン)などにおいて、3拍子の曲で、2小節をまとめてそれを3つの拍に分け、大きな3拍子のようにすることをいう。もとの意味は「1足す2分の1」。終止カデンツにおいて使われることが多い。

そうすると、元来の4分の3拍子は消え去り、大きな2分の3拍子のように聞こえる。このようなものをヘミオラと呼ぶ。聴こえ方の特徴としては、強拍がずれるため、突然本来の拍節感を失う。そのため、その部分だけが大変不思議な感覚を感じることになる。

(引用:ウィキペディア

「その部分だけが大変不思議な感覚を感じることになる。」って誰がWikipediaのこの部分を記述したのかは知りませんが、そうではなく、拍子が一時的に変化することによってメリハリや躍動感に溢れ、アリアや舞曲などでは効果的です。

おまけ

ヘミオラの有り無しでどう変わるかのテスト。
便宜上、上5声部にはわざと変化を加えないで、ドラムパートを追加してリズムを変えています。

ベタベタな演奏なので違いが解り難いですが、ヘミオラを適応したほうがダイナミックで自然です。
このことからも、単なるシンコペーションではなく、アンサンブル全体にかかる拍子の変位と言うことが言えますので全てのパートの奏者が意識したほうがいいと思います。

ヘミオラなし

ヘミオラあり。赤い部分がヘミオラの部分。

曲はプレトリウスのテールプシコーレから

TERPSOCORE(1612)からクーラント

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